Goen / 縁 石

輪郭線微妙に変化しつつ、手のひらの形に沿ったフォームの意匠を凝らした作品であった。

どこかで拾ってきた石のように、主張し過ぎず、ふっと人の気持ちに寄り添うだけで、誰でもこの器を見たら手に取って触ってみてもらいたい。特に温かいお茶などを入れた場合、その温もりが器を介して徐々に伝わってくる。

初めての鋳込み課題で、最初は油土でスケッチのイディアを立体化して形を検討する。そして、油土の原型を石膏原型に移り替える。削りや磨くの微調整を含めて、三パーツに分かれる石膏型をパーツごとに制作する。ボディができたあと、同じ方法で取っ手の型を作る。

石膏型すべて作り終えたあと、液体状の磁土を流し込んで、しばらく置いといて、ある程度土が固まったら型から外す。またバリの修正に入って、ボディと取っ手を組み立てて、乾燥させる。

鋳込み技法は大量生産と繋がる生産方法の一つを意識しつつやって来たが、同じ型で作ったものは全部微妙に違うというところも気が付いた。それは作品の個性であり、作者の個性であると思った。